私の普通と彼女の普通

先日美容室に行った時、

若い見習い美容師さんと話をする機会があった。

 

見習いの美容師さんは一人前の美容師さんとは違い、

髪は切らず、それ以外の眉毛をそったり、髪を洗うのを担当としている。

一人前の美容師さんは、他のお客様と同時進行で接客しており、

効率的に仕事をするため、混んでいて時間が空かないときは、

そういった仕事は見習いに交代してやっているようだ。

 

私も何回か見習いの人にやっていただくことはあった。

ただどの人も仕事に集中しており、私に話しかけてこなかったし、

私も人見知りを発揮し、自分から話しかけることはなかったため、

見習い美容師さんとは、それまで一度も会話をしたことはなかった。

 

そのため、見習いの美容師さんから

ゴールデンウィークどっかいったりするんすか」

と話しかけてきたときには驚いた。

彼女はとても話しやすく、以前から友達であったのかのような親しみ深さと、

フランキーさがあった。

ゴールデンウィークの休みが10日間あることを彼女にいったら、

そんなに!と驚き、「じゃ、プラチナウィークっすね!」

と独特な感性で命名していたのが、面白かった。

 

彼女と私が話しているときに気づいたことがある。

それは、環境とものの考え方が違うということだ。

 

私のゴールデンウィークの休みが10日間であるのに対し、彼女は5日間。

彼女は接客業ということもありゴールデンウィーク中も営業しており、

休みはとても少ない。

まず、これが違う点である。

さらに、このことに関する考え方も違う。

私が「休み少なくて大変ですね」と話すと、彼女は即座にこう言った。

「いや、好きなんでそんなことないですよ。

 むしろ、仕事がない日の方が何すればいいか困りますねー」

その発言に対して、思わず私は

「うらやましいな」

とぼそっと言ってしまった。

 

というのは、私は普段の仕事は正直好きだといえることではなく、

仕事のない日に自分のやりたいことが多く、

それをモチベーションにして仕事をしているくらいだからだ。

仕事という、自分の人生の大半を占めることを

そんなに風に思えるなんて.....うらやましい!!

と心の底から思った。

また、私の周りも自分と同じ考えの人しかおらず、
彼女のような考えの人はいないため、とても新鮮に感じた。

 

彼女にそのことを伝えると、

「....そんなことないと思いますけどね!」

と強く反発したのも印象に残っている。

彼女は仕事に対してすごくまっすぐであり、

強い芯をもった人であることも感じた。

また美容師という仕事が、そういった仕事に対してまっすぐな人達が

多いクリーンな環境であるのではないかと思った。

 

違うと思った点はもう一つある。

休日の過ごし方である。

私はゲームをしたり、動画を見たりと、

なるべく何も考えずに自分勝手に過ごすことが多い。

一方で彼女は、水槽の金魚や猫の世話をしたり、

仕事に関する勉強をしたりしているという。

 

全然違う!!

わたしは何かの世話をすることは面倒なためやらないが、

彼女はそれを進んでやり、それに癒されているのだという。

また、私は仕事のことを休日に考えるのは疲れるため一切しないが、

仕事のパフォーマンスをあげるために勉強をしている....

正直、自分が恥ずかしくなった

彼女は私より若いが、年齢なんか関係なく、

尊敬できる人だと思うほどに。

 

彼女と話して分かったことは、

自分の見ていた世界って、すごく狭いということ

自分の普通は、他人の普通ではないということ

そして、はじめましての人と話すことで

自分のいる狭い世界を抜け出し、

少しだけ大きな世界を見ることができる

それを知ることができた

 

この出会いに感謝!

そして、少しだけ話しかける勇気を持ちたい

そう思った。