雑談

あれは、ちょうど15時ごろだったと思う。

 

職場でいつも通りカタカタとパソコンに向かって、

あーでもない、こーでもないとマウスをカチカチとやって

頭をガシガシ書きながら、私は仕事をやっていた。

 

答えのない、深い森の奥にさまよっているような

ただひたすらに手を動かしていた。

 

そんな時、雑談をしている社員の声が入ってきた。

楽しそうに和気あいあいとだ。

その時、私は正直こう思っていた。

「自分は苦しんで、真面目に仕事しているのに.....」

つまり、うるさいなと思っていたのだ。

 

でもよく考えると、

自分もあんな風に和気あいあいとやっていた時期があった。

大学の研究室だ。

レポート制作にいきずまったら、雑談して

レポート制作終わったら、雑談して

どちらでもなくても、なんとなく雑談して....

非常に心地よかった。

苦しかった思い出もあるのに

なぜか思い出したいと思える日々だ。

 

いつからそれを非難する側になったのだろう。

わからない

ただ一つだけわかることは、

自分はうらやましいのだろう。

うらやましいから妬んで

うらやましいから拒絶して

 

私が求めるものなのかもしれない。

わいわい目を輝かせながら、

みんなであーでもないこーでもない考えて、

いきずまったら休憩

みんなで楽しくおしゃべり

そうしていると、いいアイディアが浮かんでくる。

 

馬鹿馬鹿しい夢物語だ。

でも愛おしくて

そこにいる自分を想像してしまう。

 

愚かだと笑ってくれ。

でも、これも私だ。

かっこつけずに認めようと思う。

そして、自分を知っていきたいと思う。